精進料理とは?
精進料理(しょうじんりょうり)とは、仏教の教えに基づいて肉や魚などの動物性食材を使わず、野菜・豆類・穀物を中心に作られる日本の伝統的な菜食料理です。もともとは僧侶が修行中に食べる食事として発展し、「殺生を避ける」「食材を無駄にしない」「季節を感じる」などの考え方が大切にされています。
精進料理は、五味(甘・辛・酸・苦・鹹)と五色(赤・青・黄・白・黒)を意識して構成され、健康的かつ栄養バランスにも優れています。
精進料理10選|レシピと作り方
① ごま豆腐
材料(2人分)
- 白ごまペースト…50g
- 葛粉(または片栗粉)…30g
- 水…200ml
- 塩…ひとつまみ
作り方
- 鍋に白ごまペースト、葛粉、水、塩を入れ、よく混ぜる。
- 弱火にかけ、練りながら粘りが出るまで加熱。
- 容器に流し入れ、冷蔵庫で冷やし固める。
ポイント
葛粉を使うと、なめらかでもっちりした食感に。冷やす時間をしっかり取ると形がきれいに整います。
② 車麩の煮物
材料(2人分)
- 車麩…4枚
- 干し椎茸(戻したもの)…2枚
- 昆布だし…300ml
- 醤油…大さじ2
- みりん…大さじ1
- 砂糖…小さじ1
作り方
- 車麩は水で戻して軽く絞る。
- 椎茸とともにだしで煮る。
- 調味料を加え、弱火でじっくり煮含める。
ポイント
煮汁は途中で何度かすくって麩にかけると、味がよく染みます。
③ 切り干し大根の含め煮
材料(2人分)
- 切り干し大根…30g
- にんじん…1/4本
- 油揚げ…1枚
- 昆布だし…200ml
- 醤油…大さじ1
- みりん…大さじ1
作り方
- 切り干し大根は戻して水気を絞る。
- にんじん・油揚げを細切りに。
- 鍋で炒めた後、だしと調味料を加え煮る。
ポイント
冷蔵で3日程度保存可能。常備菜にもぴったりです。
④ 精進揚げ(野菜の天ぷら)
材料(2人分)
- なす・かぼちゃ・ししとうなど…各適量
- 小麦粉…50g
- 水…60ml
- 揚げ油…適量
作り方
- 衣を作り、野菜にからめる。
- 180度の油でカラッと揚げる。
ポイント
衣を混ぜすぎないのがカラッと揚げるコツ。塩で食べるのが精進風。
⑤ 高野豆腐の含め煮
材料(2人分)
- 高野豆腐…2枚
- 昆布だし…300ml
- 醤油…大さじ1
- みりん…大さじ1
- 砂糖…小さじ1
作り方
- 高野豆腐は戻して水気を絞る。
- 調味料とともに煮含める。
ポイント
味が染み込むまで弱火でコトコト。冷まして再加熱するとより美味。
⑥ 茄子の田楽
材料(2人分)
- 茄子…1本
- 味噌…大さじ2
- みりん…大さじ1
- 砂糖…小さじ1
作り方
- 茄子は輪切りにし、両面を焼く。
- 味噌ダレをのせて焼き上げる。
ポイント
田楽味噌は焦がさないよう注意して仕上げると香ばしくなります。
⑦ 小松菜の胡麻和え
材料(2人分)
- 小松菜…1束
- 白ごま…大さじ2
- 醤油…小さじ2
- 砂糖…小さじ1
作り方
- 小松菜を茹でて冷まし、切る。
- 調味料とごまで和える。
ポイント
ごまはすりたてを使うと風味が格別。
⑧ ひじきと大豆の煮物
材料(2人分)
- 芽ひじき(乾燥)…10g
- ゆで大豆…100g
- にんじん…1/4本
- 昆布だし…200ml
- 醤油…大さじ1
- みりん…大さじ1
作り方
- ひじきは戻して水を切る。
- にんじんと共に炒め、調味料で煮る。
ポイント
冷蔵で保存可能。お弁当にも使える一品です。
⑨ 豆乳味噌汁
材料(2人分)
- 豆乳(無調整)…200ml
- 昆布だし…200ml
- 味噌…大さじ2
- 野菜(小松菜、しめじなど)…適量
作り方
- だしに野菜を加えて火を通す。
- 豆乳を加えて温め、味噌を溶かす。
ポイント
豆乳を加えるときは煮立たせないように。とろみとコクが魅力。
⑩ 白和え
材料(2人分)
- 木綿豆腐…150g
- ほうれん草…1/2束
- にんじん…1/4本
- 白ごま…大さじ2
- 醤油…小さじ1
- 砂糖…小さじ1
作り方
- 豆腐は水切りし、すり鉢でなめらかに。
- 茹でた野菜と調味料、ごまを加えて和える。
ポイント
豆腐の水切りが成功のカギ。食感の一体感が出ます。
精進料理の魅力と世界での広がり
精進料理は、動物性食材を使わないため、ベジタリアン・ヴィーガン対応の和食として、海外でも注目を集めています。
また、「素材を生かす」「身体に優しい」「無駄をなくす」などサステナブルな価値観と親和性が高く、インバウンド需要にもマッチ。寺院体験や精進料理レストランも外国人観光客に人気です。
まとめ
精進料理は「体にやさしい」「心を整える」料理として、日本の伝統文化と美意識が詰まっています。普段の食卓に1品加えるだけでも、食事のバランスが整い、丁寧な暮らしを楽しめます。
今後も「和食の基本シリーズ」で、四季折々の料理とその背景にある知恵をご紹介していきます。