忙しい毎日にうれしい「保存食」。
和食の知恵が詰まった常備菜や乾物活用レシピは、作り置きやお弁当にも大活躍です。
この記事では、冷蔵・冷凍保存が可能な常備菜から、漬け込み・乾物を使った本格派保存食まで、長持ち&美味しい和の保存レシピを10品厳選してご紹介します。
各レシピには保存期間・冷凍方法・アレンジのヒントも掲載!「和食の基本シリーズ」からピックアップした保存版です。
保存食とは?和食との関係と魅力
保存食とは、「保存を目的として調理・加工された食品」。
和食では、乾物・発酵・漬物・煮物など、季節に応じた保存食が多く存在します。
- 旬の食材を長く楽しむ知恵
- 手間と時間をかけた味づくり
- 常備することで日々の食事がラクに
「保存食=時短&健康的」な和の味わいとして、現代でも見直されています。
和食の基本保存食10選【冷蔵・冷凍保存付き】
各レシピの詳細・保存期間・冷凍可否を以下に紹介します(※写真はイメージです)。
① ひじきの煮物
保存期間:冷蔵3〜4日/冷凍約2週間
材料(作りやすい量)
- 乾燥ひじき:20g(戻して約100g)
- にんじん:1/2本
- 油揚げ:1枚
- だし:200ml
- 醤油:大さじ1.5
- みりん:大さじ1
- 砂糖:小さじ2
手順
- ひじきは水で戻し、水気をしっかり切る。
- にんじん、油揚げは細切りにする。
- 鍋に油少量を熱し、ひじき・にんじん・油揚げを炒める。
- だしと調味料を加え、煮汁が少なくなるまで煮る。
アドバイス
冷凍保存の際は小分けにしてラップし、ジップ袋で密封を。
② きんぴらごぼう
保存期間:冷蔵3〜4日/冷凍約2週間
材料(2〜3人分)
- ごぼう1本:150g
- 人参1/2本:60g
- ごま油:大さじ1
- 醤油:大さじ1
- みりん:大さじ1
- 砂糖:小さじ1
- 鷹の爪:少々
- 白ごま:少々
手順
- ごぼうは皮をこそげて斜め薄切りにし、水にさらしてアク抜き。人参は千切り。
- フライパンにごま油を熱し、ごぼうと人参を炒める。
- 全体がしんなりしたら、醤油・みりん・砂糖・鷹の爪を加えて炒め煮する。
- 水分がほぼなくなったら火を止めて、白ごまをふる。
ポイント
ごぼうの香りを活かすため、炒めすぎずシャキ感を残すのがコツ。
アレンジ
れんこんやピーマンを加えて彩りをアップ。お弁当にもおすすめ。
③ 切り干し大根の煮物
保存期間:冷蔵4〜5日/冷凍2週間
材料(3〜4人分)
- 切り干し大根:30g
- 水:200ml
- 人参:1/2本
- 油揚げ:1枚
だし:200ml - 醤油:大さじ1
- みりん:大さじ1
- 砂糖:小さじ1
手順
- 切り干し大根は水で戻し、食べやすく切る。人参は細切り、油揚げは短冊切り。
- 鍋に油を熱し、人参・切り干し・油揚げを炒める。
- だしを加え、調味料を入れて10分ほど煮る。
- 煮汁が少し残る程度で火を止める。
ポイント
時間をおくと味が染みて美味しさアップ。
アレンジ
しらたきや干し椎茸を加えるとさらに本格的な味に。
④ 鮭の味噌漬け
保存期間:冷蔵3〜5日/冷凍1ヶ月
材料(2人分)
- 生鮭:2切れ(約200g)
- 味噌:大さじ3
- みりん:大さじ1
- 酒:大さじ1
手順
- 味噌・みりん・酒を混ぜ、鮭にまんべんなく塗る。
- ラップに包み、保存袋に入れて冷蔵or冷凍。
- 焼く前に味噌を軽くぬぐい、中火で両面を焼く(フライパンまたはグリル)。
ポイント
焼く直前に味噌を落とすと焦げ防止に。魚焼きグリルでもOK。
アレンジ
味噌にすりおろし生姜や柚子胡椒を混ぜて風味を変えても◎。
⑤ 鶏の照り焼き(冷凍保存用)
保存期間:冷蔵2〜3日/冷凍2〜3週間
材料(2人分)
- 鶏もも肉:1枚(約250g)
- 醤油:大さじ2
- 酒:大さじ2
- みりん:大さじ2
- 砂糖:小さじ1
手順
- 調味料をすべて混ぜ、鶏肉を漬けて30分以上置く(冷蔵)。
- フライパンで両面を焼き、蓋をして火を通す。
- 仕上げにタレを煮詰めて照りを出す。
保存法
【冷蔵】焼いてから保存容器へ。
【冷凍】生のまま漬けた状態で冷凍し、解凍後に焼く。
ポイント
皮目から焼いてパリッと香ばしく仕上げるのが◎。
アレンジ
照り焼き丼・サンドイッチの具材にも活用可能!
⑥ かぼちゃの甘煮
保存期間:冷蔵3日/冷凍1週間
材料(2〜3人分)
- かぼちゃ:1/4個(約300g)
- 砂糖:大さじ2
- 醤油:大さじ1
- みりん:大さじ1
- 水:200ml
作り方
- かぼちゃは種とワタを除き、一口大に切る。皮はところどころむくと味がしみやすくなる。
- 鍋にかぼちゃを並べ、水・砂糖・醤油・みりんを入れる。
- 落し蓋をして中火で10〜15分煮る。煮汁が半分ほどになれば火を止める。
- 粗熱が取れたら保存容器に移す。
ポイント
・かぼちゃの皮は少し残すと煮崩れ防止に。
・冷凍するときは煮汁ごと保存袋へ。
⑦ 梅干し
保存期間:常温で1年以上(密封・冷暗所)
材料(作りやすい分量)
- 完熟梅:1kg
- 粗塩:180g(梅の重さの18%)
- 赤じそ(お好みで):適量
作り方
- 梅を水で洗い、ヘタを取り除き、1〜2時間ほど水に浸してアク抜き。
- 水気をしっかりふき取り、消毒した保存容器に梅と塩を交互に重ねる。
- 重石をして1〜2週間で梅酢が上がる。
- 赤じそを加える場合はこのタイミングで加え、さらに1ヶ月漬ける。
- 梅雨明け頃に梅を取り出し、天日干しして完成。
ポイント
・雑菌に弱いので、容器や手はしっかり消毒。
・赤じそなしでもOK。爽やか系の味わい。
⑧ 味噌玉(即席味噌汁の素)
保存期間:冷凍1ヶ月/冷蔵1週間以内
材料(味噌玉6個分)
- 味噌:大さじ6(1玉=大さじ1)
- 顆粒だし(和風):小さじ2
- 乾燥わかめ・とろろ昆布・乾燥ねぎ:適量
- その他:粉末野菜・高野豆腐などもOK
作り方
- ボウルに味噌と顆粒だしを混ぜる。
- 乾燥具材を混ぜ合わせ、1玉分ずつラップで丸めて包む。
- 冷凍・冷蔵保存する。
ポイント
・お湯を注ぐだけで即席味噌汁に。
・冷凍保存で長持ち、弁当にもおすすめ。
⑨ 塩昆布とごまの佃煮
保存期間:冷蔵2週間
材料(作りやすい分量)
- 塩昆布:30g
- 白ごま:大さじ2
- 醤油:大さじ1
- みりん:大さじ1
- 砂糖:小さじ1
- 水:大さじ1
作り方
- フライパンに全ての材料を入れて中火にかける。
- 汁気が飛ぶまで混ぜながら加熱。
- 粗熱を取り、保存容器に移す。
ポイント
・ご飯のお供やおにぎりの具材に◎
・お弁当用の小分け冷凍も便利。
⑩ 高野豆腐の含め煮
保存期間:冷蔵3日/冷凍1〜2週間
材料(2〜3人分)
- 高野豆腐:4枚
- だし汁:400ml
- 醤油:大さじ2
- みりん:大さじ2
- 砂糖:大さじ1
作り方
- 高野豆腐はぬるま湯で戻して、軽く絞る。
- 鍋にだし汁・調味料を入れて沸かす。
- 高野豆腐を加え、弱火で15分ほど煮る。
- 火を止めてそのまま冷ますと、味がよく染みる。
ポイント
・冷凍後は自然解凍またはレンジで加熱して食べられる。
・含め煮は味の染み込みが命。冷ます時間が大切。
保存期間・冷凍の可否を一覧比較
ニュー | 主な食材 | 保存期間目安 | 特徴 | 調理時間 |
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① ひじきの煮物 | ひじき、にんじん、大豆 | 3〜4日 | 食物繊維・鉄分が豊富 | 約20分 |
② 鶏そぼろ | 鶏ひき肉、生姜 | 4〜5日 | ご飯のお供に最適 | 約15分 |
③ かぼちゃの甘煮 | かぼちゃ | 3日 | βカロテン豊富 | 約20分 |
④ れんこんのきんぴら | れんこん | 3日 | 歯ごたえあり | 約15分 |
⑤ ほうれん草のごま和え | ほうれん草 | 2日 | 副菜にぴったり | 約10分 |
⑥ にんじんとこんにゃくのきんぴら | にんじん、こんにゃく | 3日 | 食物繊維が豊富 | 約15分 |
⑦ 塩昆布ときゅうりの浅漬け | きゅうり、塩昆布 | 2日 | サッと作れる浅漬け | 約10分 |
⑧ 切り干し大根の煮物 | 切り干し大根、油揚げ | 4日 | 乾物活用で栄養満点 | 約20分 |
⑨ なすの南蛮漬け | なす、玉ねぎ | 3日 | 酢の風味でさっぱり | 約30分 |
⑩ 高野豆腐の含め煮 | 高野豆腐、にんじん | 4日 | 冷凍保存も可能 | 約25分 |
保存の注意点とポイント
- 冷凍のコツ:完全に冷ましてからラップ・ジップ袋で密封。
- 冷蔵の場合:密閉容器を使用し、取り分けるときは清潔な箸で。
- 日付の記載を:作成日をメモしておくと安心。
和の保存食で日々の食卓に余裕を
保存食は「時間を味方につける」和の知恵。健康的で飽きのこない味わいは、毎日のごはんにも、お弁当にもぴったりです。
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