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和菓子の極み、上級の世界へようこそ
和菓子の魅力は、美しさと繊細な味わいの融合にあります。上級編では「細工」「創作」「組み合わせ」の技術を駆使し、まさに芸術ともいえる世界に足を踏み入れます。練り切りの高度な成形、複雑な工程を要する創作菓子、季節を象徴する美的表現など、作り手の感性と技術が問われます。
本記事では、和菓子職人の技術を家庭でも楽しめるよう再構築した、挑戦しがいのある10品をご紹介。季節感、伝統、創造性を織り交ぜた上級和菓子を、詳しいレシピと共にお届けします。
上級者向け 和菓子10選(芸術と技巧の世界)
1. 上生菓子(練り切り:菊と紅葉)
- 材料(4個分)
- 白あん:200g
- 求肥:60g
- 食用色素(赤・黄・緑・茶)
- 作り方
- 練り切りあんをベースに、4色に分けて着色。
- 菊や紅葉の形に成形(押し型やヘラ使用)。
- あん玉を包み、美しく整形。
- ポイント:色のグラデーションや模様を均一に。細工ヘラの使い方が鍵。
2. 笹巻き麩まんじゅう
- 材料
- 生麩粉:80g
- 水:60ml
- こしあん:100g
- 笹の葉(ゆでて殺菌):4枚
- 作り方
- 生麩を練って4等分、あんを包む。
- 笹の葉で包み、蒸し器で7分加熱。
- ポイント:笹の香りと共に包む技術を磨く。生麩は練りすぎ注意。
3. 笹羊羹(竹筒入り)
- 材料
- 小豆こしあん:300g
- 粉寒天:4g
- 水:200ml
- 砂糖:80g
- 竹筒容器:4本
- 作り方
- 寒天を煮溶かし、あん・砂糖を加え練る。
- 熱いうちに竹筒に流し入れ、冷やす。
- ポイント:泡を取りながら流し入れる。風味を損なわない火加減を。
4. きんとん(錦玉仕立て)
- 材料
- こしあん:100g
- 白あん:100g
- 寒天:2g、水:100ml、砂糖:30g
- 作り方
- 錦玉(寒天)を作り、白あんを包む。
- こしあんを裏ごししてそぼろ状にし、外側にまぶす。
- ポイント:錦玉は透明感が命。温度管理に注意。
5. すはま団子(彩り仕立て)
- 材料
- きな粉:100g
- 水あめ:50g
- 砂糖:30g
- 食用色素
- 作り方
- きな粉・水あめ・砂糖を練って生地に。
- 色付けして小団子に丸め、串に刺す。
- ポイント:粘度調整が大切。硬すぎず柔らかすぎず。
6. 椿餅
- 材料
- 道明寺粉:80g
- 白あん:80g
- 水:100ml
- 椿の葉(殺菌済):4枚
- 作り方
- 道明寺粉を蒸して広げ、白あんを包む。
- 椿の葉で包む。
- ポイント:花の形を意識した成形。柔らかく蒸しすぎないこと。
7. つばきねり(創作練り切り)
- 材料
- 練り切りあん:150g
- 白あん(中あん):50g
- 食用色素(赤・緑)
- 作り方
- 外あんに赤・緑を使って椿を表現。
- 中に白あんを包み込む。
- ポイント:外観美が主眼。成形の繊細さと包むバランス。
8. 寒氷(装飾和菓子)
- 材料
- 粉糖:100g
- 寒天液(寒天2g+水100ml)
- 食用色素
- 作り方
- 粉糖と寒天液を合わせ、着色し型に流す。
- 乾燥させて結晶化させる(2〜3日)。
- ポイント:乾燥時間と室温の調整が重要。色は控えめに。
9. 変わり羊羹(三層仕立て)
- 材料
- こしあん:200g
- 抹茶あん:100g
- 白あん:100g
- 寒天:5g、水:250ml
- 作り方
- 層ごとに寒天液を混ぜ、順に流し固める。
- 冷やしてカット。
- ポイント:層が混ざらないよう冷やす時間を取る。断面の美しさが命。
10. 琥珀糖(宝石菓子)
- 材料
- 寒天:4g、水:200ml
- 砂糖:250g
- 食用色素
- 作り方
- 寒天を煮溶かし、砂糖を加え煮詰める。
- 色を付けて型に流し、乾燥(3〜5日)。
- ポイント:煮詰め加減と乾燥時間で透明度が決まる。カット面の美しさも重要。
和菓子の芸術を家庭に
- 細工道具や型を揃えて、丁寧に作業を
- 時間をかけて取り組むことが上達の鍵
- 季節の彩りや行事との調和を意識して