日本の食文化を語る上で欠かせないのが「献立の構成力」。健康的で美しい食卓を叶えるために、一汁三菜をベースに、季節や彩り、栄養バランスも意識した献立の組み立て方を詳しくご紹介します。
目次
献立の基本は「一汁三菜」
和食の基本構成である「一汁三菜」とは、以下のような内容です。
- 一汁:味噌汁やすまし汁などの汁物
- 主菜(メインのおかず):たんぱく質を中心とした料理(魚・肉・豆腐など)
- 副菜(小鉢)×2品:野菜・海藻・きのこ・豆類などの料理
- ごはん(主食)
この構成は、見た目のバランスが美しいだけでなく、栄養面でも優れているとされ、現代の健康志向の食生活にもぴったりです。
季節を感じる献立の工夫
春:芽吹きの季節、やさしい味わいを
- 主菜:鰆の西京焼き
- 副菜:菜の花のおひたし、新じゃがの煮っころがし
- 汁物:若竹汁(たけのこ・わかめ)
- ポイント:苦味やえぐみも“春の味”として楽しむ
夏:暑さを和らげる涼やかな献立
- 主菜:冷しゃぶ(豚肉と夏野菜)
- 副菜:きゅうりとわかめの酢の物、冷ややっこ
- 汁物:なすとみょうがの味噌汁
- ポイント:酢・しょうが・薬味を使って食欲増進
秋:実りの季節、旨みを存分に
- 主菜:秋鮭の塩焼き
- 副菜:きのこのおろし和え、さつまいもの甘煮
- 汁物:きのこのすまし汁
- ポイント:きのこ・根菜で旨味と食感を演出
冬:体を温める献立を意識
- 主菜:ぶり大根
- 副菜:小松菜と油揚げの煮びたし、里芋の煮ころがし
- 汁物:けんちん汁
- ポイント:根菜や発酵食品で“温活”効果アップ
献立の色の考え方
料理には「五色(ごしょく)」の考え方があります。見た目の彩りだけでなく、栄養素をバランスよく摂ることにもつながります。
色 | 主な食材例 | 栄養効果 |
---|---|---|
赤 | にんじん、トマト、赤身魚 | 抗酸化作用、ビタミンA |
黄 | 卵、かぼちゃ、とうもろこし | 免疫力向上、ビタミンC |
緑 | ほうれん草、ブロッコリー | 鉄分、食物繊維 |
白 | 豆腐、大根、ごはん | デトックス、整腸作用 |
黒 | ひじき、ごま、しいたけ | ミネラル補給、老化防止 |
献立作りのポイント&コツ
- 主菜→副菜→汁物の順で考えると決めやすい
- 食材がかぶらないように色や食感に変化をつける
- 一品は「酸味」や「香り」を効かせて味のアクセントに
- 味付けも「甘・塩・酸・苦・旨」を意識してバランスよく
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まとめ|毎日の食卓に「整える」力を
和食の献立は、見た目、味、栄養、すべての面でバランスが取れています。主菜と副菜の組み合わせ方、季節感や色合いへの配慮が、毎日の献立作りをより豊かにしてくれます。
今日の食卓に、一汁三菜の整った献立を取り入れてみませんか?